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Dr.Hipsが語る〜痔を知り、楽に治す方法〜

おしりの医学#001「痔について正しく知る」

Dr.Hipsとは

平田肛門科医院 院長、平田雅彦。“Dr.Hips”とは、先代である父がつけた名前で、昔の「チップス先生さようなら」という小説のタイトルをもじったもの。平田肛門科医院は、祖父が1935年に東京の青山で開業し、84年続く老舗の肛門科。平田雅彦が院長となってから32年、すでに38万人の患者を診た実績をもつ。多くのデータ(カルテ)を持ち、痔の最新治療の研究に役立てている。

痔は誰にでも起こりうるとてもメジャーな疾患

”痔”は、非常に多い病気です。日本の国民病の第一位は虫歯、そして第二位が痔なのです。三位が風邪、四位が水虫と続きます。これだけ多い病気であるにもかかわらず、非常に痔に関する情報が少ない現状があります。
シカゴにあるフォード記念病院の外科のハース先生が、その日一日に外来できたすべての患者(受診科問わず)について痔の有無を調べたところ、なんと82%の患者が痔であったという研究報告があります。これほど、痔は当たり前に起こる病気です。
市販薬を作る際に対面調査で話を聞いた際、30%の人に痔に対する自覚があり、自覚のない人も80%が痔だという可能性があるわけです。

痔の9割以上は手術不要!

そして、痔は実は生活習慣病なのです。この事実を知っている人も非常に少ない。生活習慣病であるということは、生活習慣を見直せば改善される可能性が高いということ。手術をせずとも、治るケースが多い病気なのです。痔の一種である「内痔核」でいえば、アメリカでは手術はたったの4%、ドイツでも7%です。つまり、9割以上の痔は手術に頼らず生活指導で治すことが可能なのです。

実はそれ、痔じゃないかも!?

最近増加しているのが、「痔だと思っていたら直腸がんや大腸がんだった」というケース。平田の著書「自分で痔を治す方法」を読み、平田肛門科医院で受診した患者のうち、この一週間で二人も直腸がんであることが判明しました。とにかく、専門医にかかり、痔なのかガンなのかを正確に見極めてもらうことがとても重要です。

痔のセルフケアは専門家の指導を

生活習慣病であるなら、セルフケアが非常に重要になりますが、このセルフケアには三つの大原則があります。
ひとつめは、「正しく診断してもらう」ということ。本当に痔なのかどうかを見極めてから対応する必要があるということです。
ふたつめは、プロスポーツと同じように、専門家のコーチを受けて進める必要があるということ。
そしてみっつめ。そのケアやトレーニングは、楽しく長続きをさせなければならない、ということです。

平田雅彦プロフィール(平田肛門科医院 院長)
1953年 東京都生まれ。
筑波大学医学専門学群卒業。慶應義塾大学医学部外科学教室に入局し、一般外科を研修。
社会保険中央総合病院大腸肛門病センターに入り、大腸肛門病の専門医としての豊富な臨床経験を積む。
現在、平田肛門科医院の3代目院長。