痔のQ&A

患者様からよくご質問頂くことや、知っておくとためになる、痔に関するQ&Aをご紹介します。

手術となった場合、入院が必要になりますが、約60%の患者さんは8日間以内の入院と通院治療で完治します。当医院での痔の手術は、日帰りまたは2日入院が約10%、1週間〜10日間入院が約65%、2週間入院が約25%です。

症状が軽いほど入院期間も短くてすみます。

また、内臓の疾患と異なり、どうしても出血が止まらない場合は別として、緊急の入院・手術はほとんどありません。そのため、即入院して手術をされるということは、まずありません。

手術後に関しては、排便や入浴は手術を受けてから2日目で可能です。手術後4週間も経てば、ゴルフや水泳といったスポーツもできるようになります。傷口に薄く皮がはるのに1ヶ月、完全に傷口が塞がるまでには約4ヶ月必要です。

痔瘻だけは100%手術が必要となりますが、その他の痔は生活習慣の改善や投薬療法によって、手術をせずに治療することができます。ただし、痔瘻以外でも、症状が悪化してしまっている場合は、手術が必要になります。

日本人の場合は、概して、我慢できないほど症状がひどくなってから病院へ駆け込む人が多いようです。当医院が1,000人の患者さんに行ったアンケート調査では、自分が痔と自覚してから受診するまでの期間が平均して7年間となっています。

早期に治療を始めれば、ほとんどの痔は手術をしないで治すことができますので、できる限り早く病院で診察を受けるようにしましょう。
 
【手術が必要な症状】
■ 内痔核(いぼ痔)
排便のたびに脱肛し、指で押し込んでもなかなか戻らないほど進行した内痔核の場合です。歩いているときに脱肛するなど、症状の度合いがひどい内痔核で、日常生活をおくるのがつらくなり、患者さん自身が手術を望む場合、手術を行います。

■ 裂肛(切れ痔・裂け痔)
肛門が狭く、裂肛で、投薬と生活指導の治療を2〜3ヶ月行っても症状の改善が見られない場合には、手術を行います。

■ 痔瘻(あな痔)
痔瘻は原発巣を取り去らないと治らないことと、肛門がんになることがあるため、すべての患者さんに手術を行います。  
各疾患別の手術率(平田肛門科医院)

残念ながら自然に治ることはありません。

むしろ悪化してしまう可能性が高いと言えます。「痔だと思っていたら、大腸がんだった」というケースもあるため、痔の自覚症状があるようであれば、早めに病院で診察を受けるようにしましょう。

特に痔瘻は、治療せずにそのままにしておくと肛門がんに進むことがあります。肛門の痛みが長く続いたり、分泌物が出るようになったと思ったら、専門医に診察してもらいましょう。

痔は男性に多い病気というイメージがありますが、実際は女性のほうがなりやすい可能性があります。女性は自分が痔であることを公言する人が少ないことから、「隠れ痔主」が圧倒的に多いとみられます。

女性が痔になりやすい要因として、妊娠・出産という女性特有の大きな事業があることと、痔の最大の原因である便秘症が女性によく見られることがあげられます。

もともと女性は男性より便秘しやすい生活環境にあります。女性は仕事中や外出中に便意をもよおしても我慢しがちです。また、太り過ぎを気にしてダイエットすることが多いため、食事の量が減って便秘になりやすくなります。さらに、生理前には、ホルモンの作用で腸の動きが鈍くなるため、便秘になりがちです。

一方、痔瘻だけは男性に多いのが特徴です。筋肉の発達したがっちりした体格の青年や壮年男性に多く見られます。一般的に、女性よりも男性のほうが下痢になりやすく、また、排便のときに便が肛門腺窩(せんか)にあたる力が強いことから、痔瘻は男性に多く見られます。

現在、当医院を受診する患者さんの約70%は女性です。
痔核・裂肛・痔瘻の男女割合(平田肛門科医院)

痔は世界的にポピュラーな病気です。日本では「3人寄れば、痔主が1人」と言われるくらい、非常に身近な病気の一つです。痔は虫歯に次いで日本人に多い病気の第2位を占めています。

1988年の日本のある製薬会社のアンケート調査によると、約36%の人が「自分に痔の気がある」と答えています。日本人成人の3人に1人が痔に悩んでいることになります。

自分が痔であることに気がついていない人も実に多い状況です。ドイツの解剖学者の解剖データによると、成人の70%の人が痔核を持っていたという結果があります。また、アメリカでは、ハース博士が外来患者のほとんどすべてに肛門部の診察を行ったところ、86%に痔核を認めたという報告があります。

このように、日本だけではなく、世界的になる人が多い病気です。

「痔」はいろいろな肛門の病気の総称で、医学上は「痔」という病気はありません。
肛門の病気である痔は、「痔核(じかく)」「裂肛(れっこう)」「痔瘻(じろう)」の3種類に大きく分けられ、症状は以下のとおりです。


【痔核(じかく)】
肛門の周囲の動静脈にできた動静脈瘤の一種です。血管と結合組織が肛門内に盛り上がり、垂れ下がってできたもので、形がいぼに似ていることから、いぼ痔とも呼ばれています。

痔核は、できる場所によって「内痔核」と「外痔核」に分けられます。肛門内部にできた痔核を「内痔核」、外側にできた痔核を「外痔核」と言い、性質も異なります。

内痔核は痛みがないことが多いのに対し、外痔核はほとんどのケースで激しい痛みを伴います。


[こんな症状があるときは内痔核の疑いが!]
・最近トイレが長くなった。
・排便時に痛みもないのに血がしたたり落ちた。
・便の外側に血がついていた。
・排便時におしりがムズムズしてきて、いぼが飛び出してきた。
・肛門に何かぶら下がった感じで、痛みはないが残便感がある。
・[こんな症状があるときは外痔核の疑いが!]
・排便に関係なく出血し、はれて痛む。
・突然おしりが痛み出し、肛門の出口にいぼが出てきた。

【裂肛(れっこう)】
・裂肛は、いわば肛門の外傷で、固い便が肛門から出るときに外側の肛門上皮が切れて裂け、激しく痛んだり・出血したりする痔です。切れ痔、裂け痔と呼ぶこともあります。


[こんな症状があるときは裂肛の疑いが!]
・排便時にいきんだ拍子に肛門がピリッと痛む。
・排便後もしつこく痛みが続く。