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おしりの医学#064「結局、内痔核(いぼ痔)はどうすればいいの?」

排便時の脱出や出血、鈍い痛みなど、不快な症状が多い内痔核(いぼ痔)ですが、結局どう治療するのが正解なのでしょうか?今回は内核痔の治療方法についてお話ししていきます。

内痔核は手術をしても再発する可能性がある

内痔核になった場合、生活習慣や食事の改善による保存療法と、手術による治療を選択することができます。基本的には手術をしたほうが手っ取り早く治療することが可能です。ただし、手術で内痔核を治療したとしても、術前と同じ生活を継続してしまうと、また数年で内痔核ができてしまいます。
内痔核は生活習慣病なので、生活習慣を改善しない限りは再発の恐れがあります。虫歯が良い例です。虫歯も治療したところで、歯磨きを丁寧に行う習慣がないと再発してしまう可能性があります。また、メタボリック症候群の方が短期間でダイエットをしても、すぐに元の体重に戻ってしまうことが多いのにも共通している部分があります。
つまり、結局内痔核がない身体を継続したいのであれば、生活習慣の改善が必要になるということです。よって、当院では手術で身体に負担をかけるよりは、最初から保存療法での治療を目指していくことをおすすめしています。

手術した場合も経過観察が必要

基本的には生活指導による治療がおすすめの内核痔ですが、場合によってはどうしても手術が必要になるケースがあります。当院では患者様全体の12%が手術が必要なケースに当たりますが、該当する患者様のうち7割は定期的に来院し、経過観察を行っています。
年3~4のスパンで来院し、当院でもフォローをし続けている患者様は再発を防ぐことができていますが、5~10年と来院の間隔が空いてしまった患者様は内核痔が再発してしまっていることが多いです。

内痔核は手術がゴールではない

内痔核の治療は手術がゴールではありません。手術を行えば症状はなくなりますが、同じ生活を続けていたら再発してしまう恐れがあります。手術によって内痔核を治療した場合も生活習慣を改善し、定期的に経過観察をすることが重要です。基本的には年3~4回程度で受診し、長いスパンをかけないことが再発防止に繋がります。

平田雅彦プロフィール(平田肛門科医院 院長)
1953年 東京都生まれ。
筑波大学医学専門学群卒業。慶應義塾大学医学部外科学教室に入局し、一般外科を研修。
社会保険中央総合病院大腸肛門病センターに入り、大腸肛門病の専門医としての豊富な臨床経験を積む。
現在、平田肛門科医院の3代目院長。