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Dr.Hipsが語る〜痔を知り、楽に治す方法〜

おしりの医学#076「痔の人はサウナに行かない方がいいの?」

近年流行しているサウナですが、痔の症状がある場合は入っても良いのでしょうか?結論から言えば、サウナに入ってよいかは痔の種類によって異なります。また、痔の人がサウナに入る際の注意点もあるので、順番に解説していきます。

サウナに入ってよいかは痔の種類によって異なる

一般的に、痔核(いぼ痔)や裂肛(切れ痔)の症状がある場合は、患部を温めて筋肉をほぐし、血行を良くすることが改善に繋がるため、むしろサウナに入るのが有効であるといえます。
ただし、肛門周囲膿瘍や痔瘻のように、患部から膿が出ているような場合は、サウナに入ることで雑菌が繁殖しやすい温度になるため、症状の悪化を招きかねません。つまり、痔の症状がある状態でサウナに入りたいのであれば、事前に医師の診察を受け、自身の痔の症状を把握しておくことが重要になります。

痔の人がサウナに入る場合は座り方に注意

痔の症状が痔核や裂肛であったとしても、サウナに入る際には座り方に注意点があります。痔の症状がある時は、肛門が椅子に付くような形で座るのは避けましょう。他の部位に比べ、肛門周りの皮膚はバリア機能が弱いです。よって、他の人が座った影響で座った場所にヒトパピローマウイルスがあったりすると、感染してしまうことがあります。
ヒトパピローマウイルスは子宮頸がんや肛門がんなど、様々なガンの発生に関係があると考えられているため、感染経路は可能な限り少なくすることが重要です。もしサウナに入る場合は、他の人も使っているということを考慮し、肛門を椅子に付けないよう注意しましょう。

平田悠悟プロフィール(平田肛門科医院 副院長)
1982年 東京都生まれ。
筑波大学医学専門学群卒業。東京大学大腸肛門外科入局後、東京山手メディカルセンター大腸肛門病センターに出向し、
大腸肛門病の専門医としての豊富な臨床経験を積む。
2020年 東京大学大学院医学系研究科外科学専攻医学博士課程修了。
現在は平田肛門科医院の副院長。