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Dr.Hipsが語る〜痔を知り、楽に治す方法〜

おしりの医学#077「漢方は痔に効くの?」

巷には痔への効能を謳った漢方薬がいくつか存在します。漢方薬は西洋医学の薬よりも身体に優しいイメージがありますが、種類によっては刺激が強いものもあるので、使用には注意が必要です。今回は痔の症状がある時に効果的な漢方薬や使用する際の注意点について解説します。

痔に効く漢方

一般的に痔に効く漢方として知られているのが以下の3つです。

  • 大建中湯
  • 乙字湯
  • 大黄甘草湯

大建中湯は山椒や朝鮮人参、ショウガなど、腸を温める作用のある生薬を調合したもので、近年では腸閉塞などに対する効果が証明されてきています。痔に関しても、腸を温めることは正常な排便を助長する効果があるため、ある程度効果があると考えて良いでしょう。
しかし、乙字湯と大黄甘草湯については注意が必要です。乙字湯と大黄甘草湯は共に腸の動きを活発にし、便通を活発にする効果がありますが、摂取しすぎると薬が効いていない状態では便が出にくくなってしまう恐れがあります。特に大黄甘草湯の主成分である大黄(ルバーブの根)には刺激性下剤成分が含まれているため、長期にわたる使用はおすすめできません。

漢方薬に頼るよりも生活習慣の改善が重要

便秘や痔は生活習慣病です。よって、基本的には生活習慣を改善することで治療できます。重要なのは運動と食事です。
適度な運動やストレッチを行うと血行が良くなる他、便意を促す「起立反射」という反射が引き起こされます。排便は便意がある時に行い、無理にいきむ状況を減らすことが重要になるので、便秘や痔の症状があるのであれば日ごろから適度な運動を心がけましょう。
食事に関してはまず食物繊維を多く摂ることが重要になります。野菜や納豆に含まれている不溶性食物繊維と、こんにゃくや海藻類に含まれる水溶性食物繊維をバランス良く摂取することで、便が柔らかくなり、肛門い負担のかからないスムーズな排便が可能です。
また、食事を摂るタイミングも重要になります。例えば夜遅くに食事を摂ってしまうと、就寝中の胃腸に負担がかかり、結果的に便に異常が出る可能性が高いです。加えて、暴飲暴食も下痢や便秘を引き起こす原因になります。よって、一般的に3食分けて摂る食事を5回程度に分ける分食も効果的です。詳しくは『おしりの医学#007「痔に良い食べ物・悪い食べ物」』をご覧ください。

平田悠悟プロフィール(平田肛門科医院 副院長)
1982年 東京都生まれ。
筑波大学医学専門学群卒業。東京大学大腸肛門外科入局後、東京山手メディカルセンター大腸肛門病センターに出向し、
大腸肛門病の専門医としての豊富な臨床経験を積む。
2020年 東京大学大学院医学系研究科外科学専攻医学博士課程修了。
現在は平田肛門科医院の副院長。