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Dr.Hipsが語る〜痔を知り、楽に治す方法〜

おしりの医学#137「肛門狭窄について詳しく教えて!」

「どのレベルから肛門狭窄っていうのでしょうか」というご質問にお答えします。

肛門狭窄の定義

肛門狭窄は医師側と患者さま側でイメージに差異があることが多いです。 医師側では切れ痔を繰り返していくうちに肛門が硬くなり、直腸診の際に小指くらいしか入らない状態になっていくと肛門狭窄という認識になります。
患者さまが肛門狭窄ではないかと来院されたとき、なぜそう思うのかを質問すると、細い便しかでないからというお答えがいただくことがあります。しかし、細い便が出る原因は肛門狭窄ではなくいぼ痔が原因であることが多いです。

肛門狭窄かなと思ったら

肛門狭窄の原因は切れ痔だけではありません。緊張した状態で座っている時間が長い大人の男性の方やスポーツ選手など、ストレスによって過緊張な状態が続くことで肛門が狭くなる場合があります。
肛門が狭くなってくると痔瘻の原因になることもあるため、正しい状態の把握と対処を行う必要があります。

肛門は年齢を重ねていくと広がる傾向にあります。若いうちに広げてしまうと便が漏れてしまう原因になったりもしますので、違和感を感じたらお早めに肛門科を受診し、正しい治療を行うことが大切です。
受診することにより生活習慣を見直すきっかけにもなりますので、自己判断せずに受診することをおすすめします。

平田悠悟プロフィール(平田肛門科医院 院長)
1982年 東京都生まれ。
筑波大学医学専門学群卒業。東京大学大腸肛門外科入局後、東京山手メディカルセンター大腸肛門病センターに出向し、大腸肛門病の専門医としての豊富な臨床経験を積む。
2020年 東京大学大学院医学系研究科外科学専攻医学博士課程修了。
現在、平田肛門科医院の4代目院長。

平田雅彦プロフィール(平田肛門科医院 名誉院長)
1953年 東京都生まれ。
筑波大学医学専門学群卒業。慶應義塾大学医学部外科学教室に入局し、一般外科を研修。
社会保険中央総合病院大腸肛門病センターに入り、大腸肛門病の専門医としての豊富な臨床経験を積む。
現在、平田肛門科医院の名誉院長。