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おしりの医学#136「良い肛門科の選び方は?」

肛門科を選ぶ際、どの病院や医師を選ぶべきかというご質問をよくいただきます。患者として、適切な医師を選ぶことは非常に重要ですが、どんな基準で選ぶべきかを詳しく解説します。

医師選びの基本的なポイント

医師を選ぶ際に重要なのは、手術技術や性格、人格などの要素もありますが、それ以前に病院のシステムが問題であることが多いです。患者を診る医師が毎回変わると、診療の一貫性が欠け、治療の方針も異なることがあります。これでは患者が混乱してしまいます。理想的には、同じ医師が外来診療を行い、手術も担当すべきです。
肛門科は生活習慣病であるため、初診時には30分程度の時間をかけて患者の生活スタイルを確認することが重要です。毎回同じ医師が診察を行い、治療の経過を追うことが望ましいです。これにより、治療の進捗や変化を把握しやすくなります。

理想的な病院システムになっていない原因

大学病院は独立採算制を採用しているため、利益を重視し、点数が低い肛門科手術は数を増やすことが優先されます。このシステムにより機械的に手術だけを行う医師が存在し、肛門科の質に影響を与えることがあります。 患者さんに寄り添って時間をかけ、なるべく手術をしないで 患者さんが痔と共存できるようにしていくことが理想だと思っております。
日本では手術を重要視する傾向にありますが、アメリカの手術率は4%、イギリスが5%、ドイツが6%です。世界は生活指導に重点を置いています。日本の肛門科の医療の行為が少し世界とずれてきてるんではないのでしょうか。

平田悠悟プロフィール(平田肛門科医院 院長)
1982年 東京都生まれ。
筑波大学医学専門学群卒業。東京大学大腸肛門外科入局後、東京山手メディカルセンター大腸肛門病センターに出向し、大腸肛門病の専門医としての豊富な臨床経験を積む。
2020年 東京大学大学院医学系研究科外科学専攻医学博士課程修了。
現在、平田肛門科医院の4代目院長。

平田雅彦プロフィール(平田肛門科医院 名誉院長)
1953年 東京都生まれ。
筑波大学医学専門学群卒業。慶應義塾大学医学部外科学教室に入局し、一般外科を研修。
社会保険中央総合病院大腸肛門病センターに入り、大腸肛門病の専門医としての豊富な臨床経験を積む。
現在、平田肛門科医院の名誉院長。

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