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おしりの医学#148「20代で粘膜!?」

当院に寄せられたご質問は、「まだ20代の女性です。病院で『粘膜脱』と診断されました。手術を勧められているのですが、どうしたらいいでしょうか?」でした。

「本当に粘膜脱?」という疑問

20代で粘膜脱と言われると、かなりびっくりしますよね?
そこで、まず最初に疑いたいのは「本当に粘膜脱なのか?」という点です。
というのは、どこかの病院で「粘膜脱」と診断されたケースでも、実は「粘膜脱っぽく見えている」だけだった、といったケースが、特に女性の場合には結構あります。
ご質問の内容だけではなんとも言えませんが、診断名を鵜呑みにせず、もう一度しっかり見直してみる価値は大いにあると考えています。

20代女性でよく間違えられる症状

たとえば、

・スキンタグ(皮膚タグ):外痔核が腫れて治った後に、皮膚がビラビラと残った状態
・内外痔核:内痔核と外痔核がくっついて、大きなイボのような形になっているもの

これらが、「いきむと粘膜が出てくる」ような見た目になって、結果、「粘膜脱」と診断されてしまうケースが意外と多く、また特に若い女性だと、このパターンが本当によくあります。

質問者様の症状から感じる違和感

今回の質問者様の場合、

・排便時に強くいきむ習慣がない
・便秘もない
・トイレは5分以内でスッと終わる

というお話でしたが、「粘膜脱」の典型的な原因である「長年の過度ないきみ」がほぼないのに、「いきみすぎが原因で粘膜脱に…」と言われると、
どうしても違和感を感じざるを得ません。

「粘膜脱」の本当の原因と発症する年齢層

本来の「粘膜脱」とは、肛門を長く使っていくうちに粘膜を支える組織が弱くなり、だんだん外に出てきてしまう病気です。
だからこそ、いわゆる高齢者に非常に多い症状であり、20代で発症するのは、医学的に見てもかなり珍しい部類に入ります。

治療の現実と注意点

もちろん、本当に重度の粘膜脱であれば、薬で症状を和らげることはできても、根本的に治すには手術が必要になるケースがほとんどです。
でも、それが本当に「手術が必要な粘膜脱」なのか、まずはそこを確かめないと、手術の話に進むのは早すぎるかもしれません。

おすすめの次のアクション

何よりもまずオススメしたいのは、

「もう一度、専門医にしっかり診てもらう」ことです。

できれば「痔核・痔瘻・裂肛を専門に診ている肛門領域の専門医」に、セカンドオピニオンを依頼してみてください。(もちろん当院でも結構です)

最後に

今回は「粘膜脱」についてでしたが、医師の診断が必ずしも正しいとは言いきれないのが現実です。
自分の体のことだからこそ、納得いくまで調べてみる価値は絶対にあります。
何か不安なことや疑問がありましたら、気軽に専門医に問い合わせをしてみましょう。

平田悠悟プロフィール(平田肛門科医院 院長)
1982年 東京都生まれ。
筑波大学医学専門学群卒業。東京大学大腸肛門外科入局後、東京山手メディカルセンター大腸肛門病センターに出向し、大腸肛門病の専門医としての豊富な臨床経験を積む。
2020年 東京大学大学院医学系研究科外科学専攻医学博士課程修了。
現在、平田肛門科医院の4代目院長。

平田雅彦プロフィール(平田肛門科医院 名誉院長)
1953年 東京都生まれ。
筑波大学医学専門学群卒業。慶應義塾大学医学部外科学教室に入局し、一般外科を研修。
社会保険中央総合病院大腸肛門病センターに入り、大腸肛門病の専門医としての豊富な臨床経験を積む。
現在、平田肛門科医院の名誉院長。

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