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Dr.Hipsが語る〜痔を知り、楽に治す方法〜

おしりの医学#078「温泉は痔に効くの?」

温泉は血行を良くする効果が謳われてることが多いため、痔に効果的なのではと考える方も多いでしょう。事実、温泉は温泉は特定の痔の症状には効果があると考えられます。ただし、痔の種類によってはかえって症状を悪化させてしまう可能性があるので注意が必要です。今回は温泉と痔の関係について解説していきます。

いぼ痔や切れ痔の場合は温泉が効果的

結論から言えば、温泉が痔に効くかどうかは痔の種類によります。いぼ痔(痔核)や切れ痔(裂肛)の場合、温泉に入って身体が温まるとお尻の筋肉が和らぎ、血行が良くなるため、症状の軽減や改善に繋がる可能性があります。
特に、温泉は自宅での入浴と異なり、塩分や鉱物由来の成分が含まれているので、より筋肉が温まりやすいのがメリットです。

痔瘻の場合は症状が悪化する可能性がある

痔瘻(肛門周囲膿瘍)の場合は温泉に入ると症状が悪化する可能性が高いです。痔瘻もいぼ痔や切れ痔と同じように、お尻の筋肉が和らぐことが症状の改善に繋がります。しかし、痔瘻は化膿によって引き起こされる症状なので、患部を温めてしまうと細菌の繁殖に繋がり、症状が悪化に繋がる可能性が高いです。
よって、痔瘻をはじめとした患部が化膿するタイプの痔がある場合は、湯船に浸からず、シャワーに留めることをおすすめします。

平田悠悟プロフィール(平田肛門科医院 副院長)
1982年 東京都生まれ。
筑波大学医学専門学群卒業。東京大学大腸肛門外科入局後、東京山手メディカルセンター大腸肛門病センターに出向し、
大腸肛門病の専門医としての豊富な臨床経験を積む。
2020年 東京大学大学院医学系研究科外科学専攻医学博士課程修了。
現在は平田肛門科医院の副院長。