Dr.Hipsが語る〜痔を知り、楽に治す方法〜
おしりの医学#135「ジオン注射ってどうなんですか?」
ジオン注射は、日本で広く利用されている治療法の一つであり、特に内痔核の治療に使用されています。この注射がどのように作用するのか、またそのメリットとデメリットについて詳しく解説します。
ジオン注射とは?
ジオン注射は、内痔核に対して使用される薬剤で、注射によってその炎症を引き起こし、痔核を縮小させる治療法です。薬剤の主成分はアルミニウムを含んでおります。
ジオン注射の認可状況
ジオン注射は、日本で医薬品として認可され、医療行為として認められていますが、アメリカやヨーロッパでは認可されていないのが現状です。主な理由の一つとして、アルミニウムの体内への注入に関する安全性が懸念されていることが挙げられます。中国でも使用されていますが、最近では論文が少なく、撤退方向に向かっている可能性もあります。
アルミニウムのリスク
ジオン注射に含まれるアルミニウムは安全性が問題視されています。長期間経過した後に人体に及ぼす影響については議論が続いており、特に脳への影響が指摘されています。
ジオン注射を検討する際の注意点
ジオン注射には再発率の問題があります。副作用は少ないものの、治療後1年間で約25%の患者が再発するというデータがあり、当院でも希望する人は 非常に少ないというのが現状です。 ジオン注射は、日本では有効な治療法として認められていますが、そのリスクや再発率についても十分に理解する必要があります。治療を受ける前に医師との相談を十分に行い、自分に合った治療法を選ぶことが重要です。
平田悠悟プロフィール(平田肛門科医院 院長)
1982年 東京都生まれ。
筑波大学医学専門学群卒業。東京大学大腸肛門外科入局後、東京山手メディカルセンター大腸肛門病センターに出向し、大腸肛門病の専門医としての豊富な臨床経験を積む。
2020年 東京大学大学院医学系研究科外科学専攻医学博士課程修了。
現在、平田肛門科医院の4代目院長。
平田雅彦プロフィール(平田肛門科医院 名誉院長)
1953年 東京都生まれ。
筑波大学医学専門学群卒業。慶應義塾大学医学部外科学教室に入局し、一般外科を研修。
社会保険中央総合病院大腸肛門病センターに入り、大腸肛門病の専門医としての豊富な臨床経験を積む。
現在、平田肛門科医院の名誉院長。