Dr.Hipsが語る〜痔を知り、楽に治す方法〜
おしりの医学#140「ステロイドの長期使用の危険性について」
今回は「おしりの医学(YouTube番組)」に寄せられたご質問に回答させていただきます。
8ヶ月ほど通院していますが完治しません。痛みも痒みもないのですが薬(ステロイド)を勝手にやめて大丈夫ですか?
症状の改善には通常3ヶ月を目安にしています。
生活習慣の改善にそのくらいの期間が必要であると考えているためです。
ステロイドを長期間使用するのは、皮膚が薄くなる、免疫機能の低下等のデメリットがありますので、当院ではステロイドを含まない薬を使用し、徐々に薬の量を減らしていって改善を目指していくというやり方を行っております。
ステロイド剤の使用は何ヶ月間くらいまでなら大丈夫ですか?
「強力ポステリザン」と言われるステロイドの量が少ない薬は、メーカーが1年くらい使用しても問題ないとしています。
ただ、実際にはきちんと検証したデータがあるわけではありませんし、個々の状況にもよるため一概に何か月なら大丈夫とは言えません。
掛かりつけの医師にどの様に伝えればいいですか?
「強力ポステリザン」は一番処方されている薬にはなりますが、長期間処方するのは医師の意識によるところがあります。
ステロイドの長期使用はデメリットもあるのは間違いないので、疑問があればセカンドオピニオンを受けるというのもひとつの手だと思います。
平田悠悟プロフィール(平田肛門科医院 院長)
1982年 東京都生まれ。
筑波大学医学専門学群卒業。東京大学大腸肛門外科入局後、東京山手メディカルセンター大腸肛門病センターに出向し、大腸肛門病の専門医としての豊富な臨床経験を積む。
2020年 東京大学大学院医学系研究科外科学専攻医学博士課程修了。
現在、平田肛門科医院の4代目院長。
平田雅彦プロフィール(平田肛門科医院 名誉院長)
1953年 東京都生まれ。
筑波大学医学専門学群卒業。慶應義塾大学医学部外科学教室に入局し、一般外科を研修。
社会保険中央総合病院大腸肛門病センターに入り、大腸肛門病の専門医としての豊富な臨床経験を積む。
現在、平田肛門科医院の名誉院長。