Dr.Hipsが語る〜痔を知り、楽に治す方法〜
おしりの医学#142「痔瘻(じろう)・もしかしてクローン病?」
今回は「おしりの医学(YouTube番組)」に寄せられたご質問に回答させていただきます。
通常の痔瘻とクローン病由来の痔瘻に違いはありますか?
普通の痔瘻は基本的には手術すれば治りますが、近年クローン病がどんどん増えています。
クローン病は難病指定されているような病気で、痔瘻の中でもなかなか治らない難しいタイプです。
また、クローン病の怖いところは、お尻の問題だけではなく小腸が狭くなり開腹手術が必要になる場合もあることです。
クローン病の罹患者数
日本におけるクローン病罹患率は7万人と言われています。
2000年~2025年の間に患者数は2倍に増えており、アメリカでは75万人いるというデータがあります。
非常に多くのクローン病患者がいる状態となっており、大きな問題となっています。
年代別に見ると、10代、20代の方が77%でクローン病の確率が高く、30代、40代では痔瘻になってもクローン病の確率は低いと言えます。
クローン病は、3人に1人が一番最初に肛門に症状が出ます。
そのため、肛門科医がクローン病を発見することが多いので、まずは肛門科医にしっかりと診てもらうことが大切です。
平田悠悟プロフィール(平田肛門科医院 院長)
1982年 東京都生まれ。
筑波大学医学専門学群卒業。東京大学大腸肛門外科入局後、東京山手メディカルセンター大腸肛門病センターに出向し、大腸肛門病の専門医としての豊富な臨床経験を積む。
2020年 東京大学大学院医学系研究科外科学専攻医学博士課程修了。
現在、平田肛門科医院の4代目院長。
平田雅彦プロフィール(平田肛門科医院 名誉院長)
1953年 東京都生まれ。
筑波大学医学専門学群卒業。慶應義塾大学医学部外科学教室に入局し、一般外科を研修。
社会保険中央総合病院大腸肛門病センターに入り、大腸肛門病の専門医としての豊富な臨床経験を積む。
現在、平田肛門科医院の名誉院長。